ローヤルゼリーの名前の由来
1. 王のゼリー
ローヤルゼリーは英語で「Royal Jelly」と表記します。
直訳すると「王のゼリー」です。
何故このような名前が付けられたのでしょうか。
2. "ゼリー"はローヤルゼリーの見た目から?
ローヤルゼリーは、ミツバチの下咽頭腺という部分から分泌されます。白くとろっとした液体状で独特の酸味が特徴の物質です。
その見た目がまるで天然の"ゼリー"のようであることから名前にも"ゼリー"と付けられたのでしょう。
では、「王の」という意味のある"ローヤル"という部分は何故つけられたのでしょうか?
3. 女王蜂と働き蜂
ミツバチの群れ(コロニー)は卵を産み子孫を残すことができる唯一無二の存在である「女王蜂」、女王蜂以外の雌蜂である「働き蜂」、そして女王蜂の交尾相手である「雄蜂」で構成されています。
女王蜂と働き蜂には子孫を残すことができるか否かの他に、体格や寿命にも大きな違いがあります。
女王蜂は働き蜂の約2倍の体長にまで成長します。また、働き蜂の寿命が1〜2ヶ月なのに対して、女王蜂はその何倍にもなる約3〜4年もの長い間生き続けます。
さらに、女王蜂はただ長生きなだけではありません。卵を生むことができる成虫になってからは、寿命が尽きるまでの間、1日に2000〜3000個もの卵を毎日生み続けます。
女王蜂は少々恐ろしくなるほどの驚異的なパワーを秘めているのです。
しかしながら、生まれた直後の女王蜂と働き蜂にはほとんど違いは見当たりません。では、一体何が違いを作っていくのでしょうか。
3-1. 女王蜂と働き蜂を分ける食べ物
女王蜂と働き蜂の違いを作ると言われているのは、他でもないローヤルゼリーです。生まれてから摂取する食べ物によって体格や寿命等に大きな違いが生まれてくると考えられています。
働き蜂には生まれて直ぐワーカーゼリー(ローヤルゼリーとよく似ているが栄養価が少々劣る食べ物)が与えられます。
成長し、消化が上手くできるようになると、「はちみつ」と「花粉」が主食になり、その後もその2つを食べて過ごしていきます。
一方、女王蜂は生まれてから死ぬまでローヤルゼリー以外を口にすることはありません。生涯ローヤルゼリーだけを食べ続けるのです。
女王蜂の驚異的なスタミナはローヤルゼリーによって作られているといっても過言ではないでしょう。
4. 女王蜂が食べる唯一の食べ物
何故「ローヤルゼリー」という名前なのか?まとめると以下のようになります。
- 白くとろっとした見た目がゼリーのようであるため
- 女王蜂のみが食べる特別食であるため
- 女王蜂と働き蜂との違いを生み出す重要な食べ物であるため
少々大げさにも思える「王のゼリー」という名前ですが、ミツバチにとってはまさにその名の通り「王のための食べ物」であり、コロニーにおいて重要な役割を担っている物質なのです。